そばですよ(平松洋子)

わたしの好きな蕎麦も発酵食品のひとつである

出汁をカツオ節で取り、醤油を入れ、味醂も加えるお店もある

カツオ節と醤油、そして味醂

出汁自体が立派な発酵食品である

さて平松洋子さんが書いた「そばですよ」の本は

私の好きな本のひとつだ

平松さんのエッセイは

食べることの喜びだけでなく、

暮らしの中にある小さな発見や驚き

街とのつながりまでも教えてくれる

この本は東京の立ち食いそばの食べ歩きを

エッセイ風にまとめている

蕎麦だけではなく、店主との会話や常連客の話

お店のエピソード迄も取り入れて深い味わいがある

読んでいると

いつの間にか湯気のあるカウンターに立ち

注文したい気分になってくる

この本で知った銀座のよもだ蕎麦には

ふらっと寄ることがある

独特の汁の味わい、名物カレーとの組み合わせ

春菊天など天婦羅の美味しさ

気取らず気さくで価格も安いがそれなりに奥深い

そばは庶民の文化

そしてまたそばも日本独特の発酵文化の食べ物なのである